北米大陸と南米大陸の中間に位置する「コスタリカ」
豊かな自然と平和を愛し、地球幸福度数1位を3回獲得している、幸せな国・・・
経済的には、決して豊かとはいえない国・コスタリカですが、そこには政府主導の環境政策と平和を愛する国民性、豊かな自然と共存できる幸せに満ちた人々の暮らしがあります(*^-^*)
自然と共存し、自然を大切に守り、自然との親密なつながりを意識して生きているコスタリカの人々
そんなコスタリカはエコツーリズム発祥の地として世界的に有名です(#^^#)
エコツーリズムとは「自然環境の保全を強く意識した観光行動」を意味する造語で、自然の美しさ、素晴らしさを観光を通じて学ぶ機会を与えると同時に、入場料などを自然保護に充てる自然保護と観光を両立した考えとなります。
この国では人々が自分たちの小さな国土の中にあるたくさんの自然を守るように幼少期から教育されており、国民一人一人の環境への意識がとても高いのです♪
一体いつからそんな自然への取り組みが始まったのか、また何故コスタリカだったのか気になります。
今回はそんな自然の恩恵が沢山詰まった、大自然王国「コスタリカ」でのエコツーリズムの歴史や背景、取り組みなどについて紹介していきます
お役に立てれば幸いです♪
what is エコツーリズム
自然や文化などの地域資源を活かしながら、持続的にそれらを利用することを目的とした観光のあり方です。
大きく「環境保全」「観光振興」「地域振興」です。
それぞれのポイントを押さえることで、エコツーリズムの概要を理解することができます
コスタリカ歴史
1949 年に施行された新しい憲法で軍隊が廃止され、その年以降、民主主義を維持し続けているコスタリカ♪
中南米で政治的に最も安定した国の一つと言われています
16 世紀 | 1502 年 | プエルト・リモンにコロンブス上陸 |
1538 年 | パナマ市のアウディエンシアの管轄下におかれる | |
1542 年 | グアテマラ総督府領となる | |
19 世紀 | 1821 年 | スペインより独立 |
1823 年 | 中米諸州連合結成 | |
1848 年 | 中米諸州連合より分離独立 | |
20 世紀 | 1949 年 | 軍隊の保有を禁止する現行憲法制定 |
1990 年 | カルデロン大統領就任 | |
1994 年 | フィゲーレス大統領就任 | |
1998 年 | ロドリゲス大統領就任 | |
21 世紀 | 2002 年 | パチェコ大統領就任 |
2006 年 | アリアス大統領就任 | |
2010 年 | チンチージャ大統領就任 |
自然保護法
コスタリカは 1994 年の憲法改正で「すべての人は健康的でエコロジカルに均衡のとれた環境に対する権利を持つ」(憲法 50 条)と定め、環境権を国民の基本的権利として位置付けています。
そして、野生生物基本法制定、環境基本法制定、森林法改定など、一連の環境保護法制の仕上げとして、1998 年に生物多様性法を制定しました。
この先進的な法律の理念は「人類が持続的に発展していくためには、生態系のバランスを何よりも優先させなければならない」というものです。
動植物、水や空気などの自然資源は公に属するものとされ、私企業の利益のために自然を開発することには厳しい制限が設けられています。
地球温暖化への取り組み
コスタリカ政府は 2021 年までに、世界で初めてカーボンニュートラル(?注①)を達成するという目標を公式に掲げています。
すでに国内消費エネルギーの 95-99%を再生可能な電力で賄っており、そのうち約 80%を水力発電が占めています。
コスタリカは将来的に太陽光、小規模風力発電装置、廃棄物からのバイオガスなどを積極的に導入することにより再生可能な電力システムの多様化を図ろうとしています
また、カーボン・ニュートラル(※注①)の目標達成のために電動自動車やハイブリッド自動車の普及にも力をいれています。
小さい国でありながら、環境への取り組みのレベルの高さを感じますね
(※注①)カーボン・ニュートラル /Carbon Neutral とは・・?
環境における炭素量に対して中立であるという意味。
ある生産や活動を行う場合に排出される二酸化炭素(カーボン)の量と吸収される二酸化炭素の量が同じ量である状態のことをいいます。
地球温暖化の主な原因の一つとして大気中の二酸化炭素の濃度が上昇していることが挙げられ、二酸化炭素の濃度の上昇を抑えることで地球温暖化の進行を抑えようとする動きがあります。
このような状況の中でカーボン・ニュートラルという概念が頻繁に登場するようになったそうです。
コスタリカエコツーリズムの背景
コスタリカが国を挙げて環境保全(エコツーリズム)に取り組む背景には、実は悲しい歴史と反省があります。
実際、コスタリカは、国土の約 95%を占めていたとされる森林を 1987 年には約 21%まで激減させてしまった経験があるのです。
この状況に危機感を抱いたコスタリカ政府は、1980 年代半ばから、環境保全のための取り組みをスタートさせました。
まず政府は生態系の価値を認め、保護する森林の面積に応じて土地の所有者に経済的インセンティブを提供することにしました。
20 世紀半ばまで農業国であったコスタリカは、1980 年代に観光業が勃興し、エコツーリズムに重きをおき取り組んだコスタリカは、1990 年代に飛躍的な成長を遂げました。
2010 年の外国人観光客数は 210 万人に及び、観光業はコスタリカにおいての切って離せないとても重要な国の収入源となっています。
こうした施策を通じて、現在では国土の 4 分の 1 以上を国立公園・自然保護区として保全しています。
他国であれば軍備に回す予算を教育に充て、国民に環境の重要性を根付かせたことも環境保全施策を後押ししているといえます(*^-^*)
今では「健全な環境なくして健全な経済はあり得ない」ということを多くの国民が理解しており、そういった考えが国民一人一人に根付いているからこそ、環境に対する意識がコスタリカの人々はとても高いのです!(^^)!
1969 年 | コスタリカは森林伐採認可の規制と森林局の創設を定めた最初の森林関連法を制定される。 |
1984 年 | 自然資源の保護に対する融資をアメリカ国際開発庁から受ける |
1989 年 | コスタリカの対外債務の返済分を環境保護活動に再投資できるように、再交渉が行われる。 |
1993 年 | 野生生物基本法が制定される |
1994 年 | 環境エネルギー省が創設される |
1995 年 | 環境基本法が制定される |
1996 年 | 国家森林財政基金が設立される。この基金の設立と共に、木の伐採に細かい条件をつけた森林法、さらにこれらを統合してあらゆる生物の保全を目指す生物多様性法が制定される |
2002 年 | 憲法に「環境保障」と題する章を追加される |
2007 年 | コスタリカ大統領がパックス・ナチュラ(自然との平和)イニシアティブを宣言。 環境対策を支えるさらなる倫理的基盤が確立される →イニシアティブの炭素認定プログラムは CCB(気候・地域社会・生物多様 性)スタンダードによりゴールド認定を受けた。 |
~現在 | 現在においては、再生可能エネルギー推進国でもあり,国内電力のなんと 93%を再生可能エネルギー(水力,地熱,風力他)で賄うことに成功! 国際的には環境外交にも力を入れており,気候変動問題対策にも積極的に取り組んでいる |
エコツーリズムで訪れたいおすすめスポット
・モンテベルデ生物保護区/Reserva Biologica Bosque Nuboso Monteverde
・トルトゥゲーロ国立公園/Tourtuguero National Park
・ココ島国立公園/Cocos Island National Park
・グアナカステ保全地域/Area de Conservation Guanacaste
・テノリオ火山国立公園/Tenorio Volcano National Park
まとめ
いかがでしたか?
日本からは遠く離れた、大自然の宝庫であり、環境保護と経済が結びついたエコツーリズム発祥の国「コスタリカ」
歴史の中で、今とは真逆の悲しい環境破壊の事実があるからこそ、コスタリカは目覚めることができ、環境保全を目的とした取り組みの先駆者として数多くの規定や条例を設けました。
そのうちの代表格である、エコツーリズムは今や世界中の観光客を魅了しており、他国の模範にもなっています(*^-^*)
コスタリカ(Costa Rica)という国名には、スペイン語で「富める海岸」という意味があるそうです。
その名のとおり、豊かな自然がぎゅっと凝縮されているコスタリカ
しかしこの国にあるのは自然だけではなく、非武装中立や、自国の自然エネルギー100%での国家運営、カーボンニュートラル宣言など、環境保全とまっすぐに向き合う真剣で深い取り組みを行っている国家と国民の相互の力がパワーとなっています。
環境保護に対する熱い思いや行動力こそ、コスタリカの豊かさだと言えるかもしれませんね(^^♪
環境保全と密なかかわりがあるエコツーリズムは、大自然を満喫することはもちろんですが、現地を訪れた人々の環境保護への意識を高め、新たな認識を芽生えさせる可能性があるといえます(*^-^*)
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです
最後まで読んで頂き、ありがとうございました(*^_^*)
Cafeholic でした!