アラブ諸国のなかで唯一、不毛の砂漠がない国地中海に面した中東の国「レバノン」
日本では滋賀県とほぼ同じくらいの面積しかない小さな国です。今ではあの有名なカルロス・ゴーン氏が逃げた場所としても知名度が高まりましたね!
そんな小さな国、レバノンは遠い昔、世界の中心が地中海にあった時代、レバノンは東西貿易の交差点となる重要な位置にあり、数多くの王様や将軍が、この土地を挙って支配し、その富や名声を誇示したといわれています。
その当時に残された数々の遺産は今でもレバノンの誇りとして大切に残されています。
また、レバノンは中東では珍しい雪に覆われた白い山々と豊かな緑が多いことから”中東のスイス”とも呼ばれています。
また、首都のベイルートにはお洒落なオープンカフェレストラン、高級ブティックなどが立ち並んでおり、その光景はまさに”中東のパリ”と称されるほどお洒落で洗練されています(*^^*)
まさに、レバノンは中東にあるお洒落で自然が広がる第二のヨーロッパ的な場所ですね(#^^#)
魅力が詰まった国ではあるのですが、やはり15年間にも及ぶ内戦の影響でレバノンに行く旅行者は少ないのが現状です。最近は観光名所もどんどん再オープンし、再度活気を取り戻しつつあり、少しずつですが旅行者の姿も見られるようになりました♪
日本では見ることのできない魅力を感じられる観光資源が沢山のおしゃれな国「レバノン」・・・
女性の一人旅では治安面など不安面もあるかもしれないですが、行けばきっとその不安は吹っ飛んでいくことと思います!
レバノンの温厚な人々や国の魅力にどっぷり浸れる旅行はきっと、一生心に残る思い出になることでしょう(#^^#)
今回の記事では、まだまだ知られていないレバノンの魅力的な観光地の紹介をしていきます!
+歴史の紹介も少ししていくので、レバノンってどんな国なのか理解を深めていただけたら嬉しいです(*^^*)
レバノンの文化・歴史を語る際に忘れてはいけないのが、5つの世界遺産が登録されていることです。
「アンジャル」、「バールベック」、「ビブロス」、「ティール」、「カディーシャ渓谷と神の杉の森」です。
多くはローマ帝国時代の遺跡です。
地方を旅行するとわかりますが、至る所にローマ時代の遺跡があるのには驚かされます。
レバノンの治安と安全性
レバノンと聞くと、やはり気になるのが治安や安全面です。
内戦やテロなどのイメージが強いので、危険だというイメージを持っている方も沢山いると思います。
実際、現在のレバノンは街もきれいに整備され、観光都市化を目指しものすごく努力をしてきました!
その努力があり、内戦のイメージを覆すような洗練された素敵な光景がレバノンにはあるのです
首都であるベイルートやシドンなどを含め、広範囲が、外務省の危険レベルは 1 で、比較的安全です。
ただし、気を付けたいのがシリアとの国境やイスラエルとの国境に近い地域です。
外務省のホームページでも渡航中止勧告の出ている地域なので行かないようにしましょう。
また、難民キャンプなども避けておいた方が良いでしょう。
旅行前に少し知っておきたい・・レバノンの歴史と内戦
【略史】
16 世紀 | オスマン・トルコの支配下に入る |
1920 年 | 仏の委託統治領となる |
1943 年 | 仏より独立 |
1975 年 | レバノン内戦始まる |
1978 年 | イスラエルのレバノン侵攻 |
1989 年 | ターイフ合意(国民和解憲章)成立 |
1990 年 | 内戦終結 |
2000 年 | イスラエル軍南レバノンから撤退 |
2005 年 | シリア軍レバノンから撤退 |
2006 年 | ヒズボッラーとイスラエル間の戦闘。国連安保理決議 1701 号採択。 |
レバノンには昔から、様々な民族・宗教を信仰する人々が住んでおり、目立った争いもなく平和な国家でした。
オスマン帝国崩壊後 フランスの委任統治になりましたが 1941 年に独立。
第二次世界大戦後のレバノンは金融や観光などの分野で国際市場に進出して経済を急成長させベイルートは中東のパリと評されるほど中東及び地中海有数の国際的リゾート地として数多くのホテルが立ち並ぶなど大いに賑わいました。
1975 年から 90 年まで、レバノン国内のさまざまな宗派グループが互いに戦った内戦。
シリアやイスラエル、イラン、イラクなどが介入し、対立の組み合わせもめまぐるしく変わって泥沼の戦闘を続けました。
内戦の背景として事の発端はフランスにあります 宗主国フランスは 元来のレバノン領域(小レバノン)を大幅に越えて(大レバノン)と呼ばれる元来シリア領域とされるベッカー高原レバノン北部及びトリポリ市 レバノン南部も含めて国境線を引きました。
マロン派を含めたレバノン独立運動を阻止させたい、フランスの分断政策の一つでした。
国境線を引いたことがレバノン内戦を誘引する根本的な理由となったのです。
隣国のシリアが平和維持軍(PLO)を派遣するも、イスラエル軍が侵攻したことで、終わりが見えない紛争へと突き進んでしまうことに・・
内戦終結後の今のレバノンの政治体制を見ると 大統領を元首とする共和制国家であり 現行の憲法により 18 あるそれぞれの宗派ごとに政治権力を分散する体制が取られています。
日本では考えられないことですね。
レバノンは日本好き・・!
レバノンの街を歩いていたある旅人によると、レバノンはイメージ以上に親日国であるということを感じたそうです。
実際レバノンには、沢山の日本製品(特に自動車)が輸出されており、日本食がレバノンでのブームか!という位、日本食を好むレバノン人が沢山います!
レバノン全土には、約200軒を超える日本食レストランがあり、特にお寿司はスーパーでも折りに入って売られているほど人気があるそうですよ~♪♪
レバノンで訪れたい観光地
【首都】ベイルート/ Beirut
観光時間(日数)のめやす:半日~3日
戦争前は「中東のパリ」と呼ばれて愛されていた首都「ベイルート」。
長く続いた戦争で、文字通り「がれきの山」と化したベイルートですが、すさまじい勢いで復興し、もとのベイルートの姿をほぼ取り戻しました
<ベイルートで是非立ち寄りたいスポット>
*Gemmayzeh Street
ベイルートで最も栄えている通りです。
バーやレストランが所狭しと軒を連ねていて、激戦区なのかどこもここはヨーロッパなのか?!と錯覚するくらいお洒落で洗練されています
♪
*ゼイトゥネイ ベイ
レバノンで最もお洒落なベイエリアです。
通りには、お洒落なカフェやレストランがあり、マリーナを眺めながら美味しいものが食べられます?散歩するだけでも気持ちよさそうですよ~
*ベイルート・スーク(市場)
内戦前は、市場があり露店にお店が軒を連ねていたエリアに、内戦後に建設されたショッピングモールです。
モールの中には、市場でお店を開いていた露店が集結している他、スターバックスなどのカフェ、飲食店、スーパーが入っている大型のショッピングモールです。
レバノンのスタバはどんな味がするのか・・試してみても面白いかもしれません(#^^#)
*ムハンマド・アル・アミーン・モスク
ダウンタウンのローマ遺跡東側にある必見のモスクです!
2008 年に完成したこのモスクの見どころは 4 本の存在感のあるミナレットとラピスラズリ色のドーム
内装もとってもお洒落で真っ白でとても豪華なシャンデリアがモスクを更に映えさせています♪
*ベイルート国立博物館
中東の中で最大級の博物館!
とても貴重な展示品が多くあり、ヒエログリフが書かれたエジプト様式の石像、ビブロスのアシアム王の石棺はその中でも必見です
*スルソーク博物館
オスマントルコ様式とイタリアの宮殿の様式を取り入れた美しい建物で、建物だけでも見る価値ありの博物館です♪
近代・現代美術作品を始め、イスラム美術コレクションや彫刻など数々の名作が並んでいます。
*鳩の岩
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ベイルートのランドマーク「鳩の岩」地元の人に親しまれているスポットです!
地中海に面したコルニーシュ海岸通りから眺められます。その名の通り鳩に似ている 2 つの巨石がポツンとあり、高さはなんと約 22m あります。夜にはライトアップもありますよ!
*マリーナ地区(コルニッシュ通り)
ベイルートの中で最もお洒落なエリア??海岸沿いにある開発が進んだとても洗練されたエリアで、カフェやレストランまでもとってもお洒落♪
住所 | Beirut, Lebanon |
アクセス | 空港からタクシーまたはミニバスで約15~20分 |
レバノンの偉大な世界遺産
・カディーシャ渓谷と神の杉の森/Qadisha valley&The Cedars of God
自然と人類とが一体となった共生の場として伝えられてきた「カディーシャ渓谷」と神の杉と称されている「神の杉の森レバノン杉」
レバノン北部に位置するレバノン山脈のカディーシャ渓谷は、この国の象徴として国旗にも描かれているレバノン杉が群生している場所です。
レバノン杉は古代から良質な木材として重宝されており、古代エジプトでは聖なる木として崇められたほど。
かつてはレバノン杉で埋め尽くされていたこのエリアですが、現在、レバノン杉は国全体で 1,200 本ほどしか残っておらず保護対象の木となっているそうです。
ガネーシャ渓谷に雲や霧が谷にかかった時の景色は、まるで神々が住んでいるかと思わせるほどの神秘的で、レバノンを訪れたら必ず見に行きたい絶景です(#^^#)
住所 | Aarbet Qozhaiya, Lebanon |
アクセス | ベイルートから車/バスで約2~3時間 |
スール(ティール)/Tyre
レバノンの南西、地中海に位置する世界遺産の街「スール(ティール)」? まるでイタリアのベネチアにいるかのような素敵な港町です!
南側と東側にローマ時代の遺跡が残り、2万人以上を収容したと言われる競技場や凱旋門、浴場などが今も残っており、歴史を感じられる建築物が間近で見られます。
住所 | Tyre, Sur South Governorate, Lebanon |
アクセス | ベイルートからミニバスで約1~1時間半 |
ビブロス/Byblos
レバノンの北部、地球海を望む場所位置する最も古い歴史を誇る世界遺産の街「ピブロス」
世界遺産ビブロスは、アルファベットの元になった「フェニキア文字」の発祥地!
また、聖書を意味する「バイブル」という言葉の語源にもなっている、とても歴史深い都市遺跡です(*^^*)
7000 年も前に海洋民族フェニキア人がこのビブロスに都市を築き、その後エジプトやローマ帝国の支配を受け、中世には十字軍の前線基地として利用されたという背景があります。
現存している遺跡には異なった時代の様々な文化を知ることができる歴史を知るための世界遺産とも言えます。
住所 | Byblos, Mount Lebanon Governorate, Lebanon |
アクセス | ベイルートービブロス
① バス(約1時間半) |
バールベック/Baalbeck
レバノンの北東部に位置する高地の街「バールベック」
約 3,000 年前にフェニキア人によって築かれ、中東三大遺跡の 1 つに数えられている「バールベック遺跡」は世界でも有数のローマ神殿跡が残っている貴重でとても神聖な遺跡です。
「ジュピター神殿」「バッカス神殿」「バールベックの巨石」は必見です!
住所 | Baalbeck,Bekaa Governorate, Lebanon |
アクセス | ベイルートーバールベック ① バス(約3時間) 「コーラ・バスターミナル」から、バールベック行きの乗合バスが出ています |
アンジャル/Anjar
レバノン東部、ベカー高原にあるレバノン唯一の城塞都市遺跡「アンジャル」
アンジャルのある場所には、もともとはゲッラと呼ばれる古代の都市があったと推測されています。
古くから2つの重要な道が交わる交易地として栄えていたアンジャル。
街は 4 つの区画に分けられ、南東は宮殿とモスク、南西は居住区、北東には宮殿、北西には公衆浴場という構成でした。
また、アンジャルの遺跡からは、イスラームの権力者たちの保養用の宮殿やモスク、公共浴場とみられる建物跡が見つかっています。
※シリア国境まで 10km 程度という近さにあるため、個人での旅行は絶対に控えましょう!行くならツアーで行くことをおススメします!
住所 | Anjar, Lebanon |
アクセス | ベイルートー アンジャル ・専用車(約1時間半~2時間) ベイルートからアンジャルへ向かう公共交通機関はなく、 タクシーか地元の観光ツアーを利用する必要があります。 |
秘境
ジェイタ洞窟/ Jeita Grotto
レバノン東部、ベイルートの北に約 15km のところにある谷の町「ジェイタ」
世界で2番目にランクインしている鍾乳洞で、その美しさは別世界に来たような、感動的な絶景が洞窟内に広がっていますペパーミントグリーンのよう透き通った色の湖面は、グリーンやブルーでライトアップされていて、とっても幻想的な世界が広がっています。
山の中腹に上部と下部の2つの石灰岩の洞窟で構成されている鍾乳洞は、規模と美しさのいずれも世界最大級で、日本の鍾乳洞とは、比にならない圧巻する大きさです( *´艸`)
ジェイタ洞窟は上下 2 つに分かれています。
上部は徒歩で、下部は地下水が流れているためボートに乗って見学します。
鍾乳洞は天井から水面までの高さが 50m~100m。
地下水がジュラ紀の石灰岩を数百万年にわたって侵食して、石のカーテンや石筍を形成し、長さ 8.2 メートルの世界最大級の鍾乳石もあり、まさにそこには石でできた宮殿の世界です
アクセスが不便なので、ツアーでの観光をおススメします!
住所 | Jeita Grotto,Jitta Mount , Lebanon Governorate, Lebanon |
アクセス | ベイルートー ジェイタ洞窟 ・タクシーで約 30 分~40 分 ベイルートからジェイタ洞窟へ向かう公共交通機関はなく、 タクシーか地元の観光ツアーを利用する必要があります。 |
バータラ峡谷の穴/ Baatara Pothole
レバノン北部、ベイルートの北に約 75km のところにある幻の秘境「バータラ渓谷の滝」
天井のように覆い被さる岩の割れ目から、石灰岩の岩橋を潜り流れ落ちる圧巻の滝!
その高さはなんと255m!
空から差し込む光と洞窟の影が見事にマッチして、言葉では言い表せない絶景が目の前に広がります♪
落とし穴に吸い込まれるかのように、水が地上から垂直に落ちていく光景と、地下にある「3つの橋」からの光景・・
二つの異なるポイントから滝鑑賞ができます(*^-^*)
しかも、この橋・・なんと、自然の力によって創られたものだそうです。
自然の橋が同じ場所で3つも創られたとは、何かスピリチュアルなものを感じますね~♪♪とても不便な場所にあるので、個人ツアーが一番安全かつ安心です(*^▽^*)
住所 | Baatara_Pothole-Tannourine_North_GovernorateLebanon |
アクセス | ベイルートー バータラ渓谷 ・タクシーで約1時間半~2時間 ベイルートからバータラ渓谷へ向かう公共交通機関はなく、 タクシーか地元の観光ツアーを利用する必要があります。 |
アフカ滝/ Afqa Waterfall
レバノン北部、ベイルートの北東に約 71km のところにある、あまり知られていない秘境の滝「アフカ滝」
アドニス川への続くこの滝は、水の色がサファイアブルーのような、なんとも表現できないとてもきれいな神秘的なブルーが滝を囲むように一面に広がります。
迫力のある白いカーテンのような滝がどこまでも澄み切ったサファイアブルーの水面に落ちていく姿は、息を呑むほどの絶景です
夏場はこのきれいな川で、水遊びも楽しめますよ(*^-^*)
ただ、この滝も秘境なだけあり、とても不便な場所にあるので、個人ツアーが一番安全かつ安心です(*^▽^*)
住所 | Afqa Waterfall, Afqa Mount,Lebanon Governorate, Lebanon |
アクセス | ベイルートー アフカ滝 ・タクシーで約1時間~1時間半 ベイルートからアフカ滝へ向かう公共交通機関はなく、 タクシーか地元の観光ツアーを利用する必要があります。 |
まとめ
いかがでしたか?
地中海沿岸にある、中東で唯一砂漠がない国「レバノン」
30もの異なる宗教が共存し、それぞれに自分の宗教を大切にしつつも相手のことも理解し、労わることのできる人情深いレバノンの人々・・
中東=治安が悪いというイメージをメディアで流れてくる情報から想像してしまうのですが、日本の製品が多く入っているレバノンは親日感情を持つ人が多く、女性の一人旅でもそこまで心配する必要はないくらい良い人たちが多いのが事実です。
レバノンを旅したある女性のブログには、レバノンは私たちが思っているほど危険ではなく、むしろスリやひったくりはヨーロッパの方が多いと書かれていました。
日本はアメリカと仲が良いので、アメリカと仲が良いイスラエル寄りの情報が流れます。
アメリカやイスラエル寄りのニュースが流れる日本では、イスラエルと仲が悪い中東各国のニュースは悪い事ばかり流れやすくなっているのが現実です。
国土は滋賀県ほどしかありませんが、そのコンパクトな国の中には歴史や自然がこれでもか!というほど沢山の魅力に溢れています(*^-^*)
どこに行くのも2時間もあれば行ける距離なのが、旅人にとってはありがたい国です?観光資源が豊富でとても洗練されたお洒落な街並みがあるレバノンは、“中東のスイス”や“中東のパリ”と呼ばれているほど、人々の心を魅了する魅力に溢れた国です
内戦があった為、イメージが悪いかもしれませんが、今はほぼ戦前の状態に戻り、街もかなりきれいに整備されています(*^^*)
「中東にこんなに素敵なところがあったのか!」と思えるくらい、素晴らしい大自然と歴史・文化が広がる国「レバノン」
旅人の間では、レバノンの秘境は世界中探しても、あの絶景には出会えないというくらい美しい景色にと出会えると言われているそうです・・
また、女心をくすぐるお洒落でフォトジェニックな街並みやその街に軒を連ねるお洒落で可愛いカフェやレストランも是非訪れたいですね~♪♪
目的地ではないところで思いがけない素敵な風景が待っていたり、美味しいグルメに出会えたり、はたまた素敵な出会いもあるかもしれません(*^-^*)
そんな時、自分はラッキーだな!と思いながら、ワクワク気分をさらに UP させて、旅行を存分に楽しみましょう(*^▽^*)
素敵な旅になりますように・・
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです
最後まで読んで頂き、ありがとうございました(*^_^*)
Cafeholicでした!